【一問一答】サイクルジャージの環境負荷ってどうなんですかか？？

2021.03.04

どうもGENTZ開発・販売担当の大道です。ファストファッションはご存じでしょうか。大手衣料メーカーが大量生産しているお洋服のことを言います。実はこの洋服が甚大な環境被害を引き起こしているようです。あまり日本では、話題になっておりませんが、欧州などでは、ファストファッションが生み出す環境問題を取り上げる機会が多いようです。

質問_サイクルジャージの環境負荷ってどうなんですか？？

回答：高いですね。サイクルジャージはポリエステルでできてるので…一方でRaphaさんなどのブランドは、環境負荷を減らすための取り組みをしているようですよ。そういったメーカーのジャージを着用してみたらいかがでしょうか。

解説

環境負荷の高い素材と低い素材

服の素材は、大きく分けて天然繊維か化学繊維となります。天然繊維は、自然界で分解しやすく、化学繊維は、自然界で分解されずらいです。天然素材は、植物や動物由来のコットンやウールとなります。一方、化学繊維は、石油由来のポリエステルやナイロンとなります。


衣類の環境負荷とは

・化学繊維由来の衣類は分解されない

プラスチックゴミ同様に、世界中でゴミとして大量に埋立られ続けていく

・一枚の衣類を作るのに大量の水を利用する

例えば、一枚のコットンTシャツを作る為に栽培時を含め、2700㍑の水を要するようです（WWF）。

・化学繊維由来の衣類を洗浄するたびにマイクロプラスチックが発生し、河川や海にマイクロプラスチックが放出されてしまう。

According to Dutch campaign group Plastic Soup Foundation, with every 11 pound (5 kg) load of laundry, between 600,000 and 17 million clothes fibers are released (other research gives a number closer to the smaller of those figures) — up to 1.3 grams in weight.

引用元：CNN

ざっくり翻訳すると、5kgの洗濯物から60万から1700万本の繊維が発生。重さにして1.3グラムとなります。大した量には思えませんが、世界中の洗濯物の総重量を考えたら大変な量のマイクロプラスチックが排水されることとなります。この記事では、洗濯機の排水口にフィルターを付けることが有効であると後述しております。日本の洗濯機のフィルターの能力は如何なるものか。気になりますね。

・衣類を作る際の染料による水質汚染

2012年の調査によると、衣類の染色と仕上げの工程で生じる廃水が、実は世界中の廃水のおよそ20％を占めると報告された。

引用元：VOGUE

・製造時のCO2の排出など。

マッキンゼーによると、アパレル業界は2018年に二酸化炭素を21億t排出しており、世界全体の排出量の4%を占める。今後毎年2%ずつ排出量が増加すると見立てると2030年の排出量は27.4億t。これをパリ協定での1.5℃目標との整合性をもたせるためには、11億tにまで16億t分も削減する必要が出てくる。

引用元：サスティナブルジャパン

衣料品に使用される素材とは
実は、衣料品に使われる素材の内、60%がポリエステルとなります。ポリエステルは、加工性や着心地（発汗性や伸縮性）も良いといわれております。
サイクルジャージはどうなのか
さて、我々が使用するサイクルジャージはどうでしょうか。
むむ・・・
筆者の持っているサイクルジャージに関しては、ポリエステル80%と書いてあります。

サイクルジャージは、伸縮性や発汗性、耐性が求められるので、当たり前のようにポリエステルを使っています。サイクルジャージ以外の衣類も見てみたところ、私のほとんどの衣類はファストファッションということもあり、ポリエステルを使ったものばかり。ということが判明しました。

じゃあどうする。

ポリエステルが環境破壊に繋がる可能性を知り、多かれ少なかれ、罪悪感を筆者は感じてしまいました。この罪悪感を少しでも軽減する為にどうすればいいか。筆者はこうしようと思います。

その一：今持っているサイクルジャージを含めたすべての衣類を長く使う

その二：今後購入するサイクルジャージに関しては、そのメーカーが環境問題への認識をどう捉えているかを確認してみる。その上で、できる限り環境負荷の低いサイクルジャージを購入する。

例えば、Raphaさんのホームページを見ると、持続可能性についての考え方がしっかりと記載されております。こういった企業の毅然とした姿勢はとてもカッコいいなと思います。

その三：日常着る衣類に関しては、天然由来の素材を用いた衣類を意識的に買う。そして長く使う。

今のところ、以上の三つを意識していこうと考えてます。

最後に

「製品が手元に届くまでの間にどういった人たちが関わり、その人たちが幸せになっているのかな。」

実は、素材に視点を向けることも大切ですが、自分の手元まで届くプロセスを見ることも大事だなぁと思いました。近頃の衣類は、ファストファッションといわれ、かなり安価に衣類を購入することが出来ます。そのおかげで、家計が助かっているのも事実です。しかし、これだけ安いのには、もちろんからくりがあるわけです。

誰かが、安い賃金で、この衣類を作ってくれているのです。また、天然由来の衣類の場合は、その土地の人々の水を大量に利用し、衣類が出来上がっているのです。そういうことを考えると、何となく胸の底が痛いわけですね。

大量生産によるファストファッションに関しては、最近よく使われる持続可能性という観点から考えたら、持続可能性がとても低いのかもしれません。色々考えていると、やはり、モノは大切に長く使おう。そして、長く使えるものならば、ある程度高くてもしょうがない。そんな気持ちをもって、身の回りのものを揃えていきたいなと思いました。